AIメタデータ削除ツールは何を削除する?
AIメタデータは1つのフィールドではありません。複数の規格にまたがっており、アプリによって使うものが異なります。上にファイルをドロップすると、ご自身のファイルにどれが入っているかがわかります。初期設定のモードでは、削除ツールは次のものを取り除き、ファイルのそれ以外の部分には手を付けません。
- C2PAマニフェスト(Content Credentials):アプリ名、記録された編集、AIの宣言を含む署名付きのブロック。丸ごと削除されます。
- オンラインのマニフェストへのリンク:サーバーに保存されたContent Credentialsの取得先をプラットフォームに伝える、XMPのポインタ。
- IPTC Digital Source Type:「trainedAlgorithmicMedia」(AIで生成)や「compositeWithTrainedAlgorithmicMedia」(AIで編集)を示すフィールド。
- XMP内のIPTC AIフィールド:AI System Used、AI System Version Used、AI Prompt Information、AI Prompt Writer Name。
- 編集履歴内のAIの記録:AIツールの名前が入ったXMPの履歴ステップや、作成ツールのフィールド。
- 生成ツールの痕跡:AIツールの名前が入ったEXIFのSoftwareタグやコメント、Stable Diffusionの設定やComfyUIのプロンプト・ワークフローが入ったPNGのテキストチャンク。
- 動画内のAIタグ:AIツールの名前が入ったC2PAボックスやコンテナのタグ。
AIタグのみのモードでは、何がファイルに残る?
それ以外はすべて元のまま残ります。カメラのメーカーとモデル、レンズと露出の設定、撮影日、色を正しく保つカラープロファイル、向き、著作権や作者のフィールドです。XMPでは、AIの項目だけが空になります。タイトルや著作権表示などの他のフィールドは、AIツールの名前が入っていない限り残ります。
プライバシーの面で重要な点が1つあります。このモードでは、GPSの位置情報も残ります。写真を撮った場所を知られたくない場合は、位置情報とカメラ情報も削除するオプションをオンにしてください。
AIタグのみ? それともすべてのメタデータ?
ファイルの用途に合わせてモードを選んでください。どちらのモードでも、色が変わらないようカラープロファイルは残り、画像を正しく表示するために必要なデータも残ります。2つの選択肢は次のとおりです。
- AIタグのみ(初期設定):誤ったラベルが付いた本物の写真向けです。写真家、クライアント、ストックサイトが求めるカメラのデータは残ります。
- 位置情報とカメラ情報も削除:公開で投稿するものや、知らない人に送るものに向いています。EXIFブロックを削除し、向きだけを含む最小限のものを書き戻します。GPS、カメラのシリアル番号、所有者名、メーカーノート、撮影日時、埋め込みサムネイル、コメント、IPTCとXMPのブロック、動画のメタデータ内の位置情報とデバイスのタグが、すべて削除されます。その結果、iPhoneやUltra HDRの写真の一部はHDRなしで表示されることがあり、モーションフォトは動く部分がなくなります。
劣化のない削除が大切な理由
メタデータは、画像データの隣にある別のブロックに入っています。削除ツールはそのブロックを切り取り、画像データはバイト単位でそのままコピーします。デコードして保存し直すことはないので、追加の圧縮も、解像度の変化も、色のずれもありません。動画のフレームも再エンコードされません。
別の方法をとるツールもあります。画像をキャンバスに描画して、新しいJPEGとして保存する方法です。これでもメタデータは消えますが、そのたびに画像が再圧縮され、カラープロファイルが失われることもあります。クライアントに写真を納品する場合や、高画質の作品を投稿する場合は、劣化のない削除なら、AIタグだけが消えた書き出し時のままのファイルを保てます。
写真や動画からAIメタデータを削除する方法
クライアントの写真をまとめて処理する場合は、次のとおりです。
- 写真や動画を最大10ファイルまで、上にドロップしてください。ファイルごとにAIタグとプライベートな情報の一覧が表示されるので、クリーニングが本当に必要なものがわかります。
- クリーニングの前にモードを選びます。AIタグのみなら初期設定のまま、位置情報とカメラ情報も削除する場合はそのオプションをオンにします。
- 「AIラベルを削除」をタップし、ファイルを1つずつ、またはまとめて1つのZIPでダウンロードしてください。スマホでは、クリーンなコピーを直接アプリに共有できます。
本物の写真にAIメタデータが入っているのはなぜ?
編集アプリが書き込んだからです。PhotoshopとLightroom(生成塗りつぶし、生成削除、AIノイズ除去)、Adobe FireflyとExpress、Canvaのマジック機能、Googleフォトの「編集マジック」、Samsung Galaxy AI、Appleのクリーンアップは、いずれもAI編集をファイルに記録します。隅を少し塗りつぶしただけで、書き出し全体にタグが付くことがあります。するとInstagramとFacebookは「AIコンテンツ」(旧「AI情報」)、TikTokは「AI生成」、Pinterestは「AI modified」と表示します。
AIを使って本物の写真を整えただけなら、タグを削除することは、写真ではなく編集のしかたを説明していたラベルを直すことになります。画像が完全にAIで生成されたものなら、投稿するときは開示を残してください。その場合、ラベルは正確です。
AIメタデータの範囲と、画像そのもの境界
上のリストにあるものはすべて、画像の隣に保存されています。いくつかのAIシグナルは、別の場所にあります。
- GoogleのSynthIDのような、見えないピクセルの透かし。これは画像自体の一部であり、クリーニングはそれをタグと一緒に取り除くので、クリーンなコピーにはAIマークが残りません。
- AdobeのオンラインにあるContent Credentialsのコピー。Adobeはその記録をサーバーに保持して、埋め込まれたコピーがなくなった後でも、画像とひも付け直すことがあります。
- プラットフォーム独自のAI判定。これは画像そのものを見て判断します。