C2PAとは? Content Credentialsとは?
C2PAは、Coalition for Content Provenance and Authenticityの略で、Adobe、Microsoft、Google、OpenAI、Sonyなどが参加する企業の団体です。画像、動画、音声ファイルの出どころを記録するための、オープンな規格を公開しています。Content Credentialsは、その記録の一般的な呼び名で、LinkedInで見かける小さな「CR」アイコンがそのシンボルです。
ファイルの中に入って一緒に移動するラベルだと考えてください。画像が本物か偽物かを判定するものではありません。このカメラで撮影した、このアプリで編集した、この部分はこのAIモデルが生成した、といった主張を記録します。主張にはそれぞれ署名があるため、後からファイルが変更されれば見つけられます。上のツールにファイルをドロップすると、ご自身のファイルがどんな主張をしているかがわかります。
C2PAマニフェストの中には何が入っている?
この記録はマニフェストと呼ばれます。ファイル自体の中の、画像データの隣にある別のブロックに保存されており、いくつかの部分で構成されています。
- 署名:記録を書き込んだアプリやカメラの会社(たとえばAdobe、OpenAI、Google)が発行したデジタル証明書。
- アクション:作成、オープン、編集、切り抜き、色調整など、ファイルに行われた処理。アクションには、AIモデルで作られたことを意味するtrainedAlgorithmicMediaのように、ソースの種類が記載されることがあります。
- 素材(Ingredients):このファイルを作るもとになった、以前のファイル。Photoshopの書き出しでは、元の写真と生成塗りつぶしの結果が、2つの別々の素材として記載されることがあります。
- ハッシュ:署名した時点でのコンテンツのフィンガープリント。後で新たな署名なしにピクセルが変更されると、検証ツールは記録が一致しなくなったと報告します。
誰が写真や動画にContent Credentialsを書き込んでいる?
ファイルに署名するアプリや機器は、年々増えています。カメラが書き込んだ記録は、写真が撮影されたもので、生成されたものではないことを示します。AIツールが書き込んだ記録は、AIが関わったことを示します。上のツールは、ご自身のファイルの記録を書き込んだアプリや機器の名前を表示するので、どちらの種類かがわかります。現在の主な書き込み元は次のとおりです。
- Adobe:Photoshop、Lightroom、Firefly、Adobe Express。特に、生成塗りつぶしや生成削除のような生成AIの工程の後。
- OpenAI:ChatGPTやDALL·Eで作られた画像と、Soraの動画。
- Google:GeminiアプリのNano Banana Proで作られた画像と、Pixel 10スマホで撮影・編集された写真。
- Samsung:最近のGalaxyスマホで、生成編集などのGalaxy AIツールを使って編集された写真。
- Microsoft:Microsoft Designer、Bing Image Creator、Copilotの画像。
- カメラ:一部のLeicaとSonyのモデルは、撮影の瞬間に写真へ署名できます。Nikonは2025年に1つのモデルへ追加しましたが、セキュリティ上の欠陥が見つかった後、一時停止しました。
誰がContent Credentialsを読み取り、どんなラベルを表示する?
プラットフォームはアップロード時に記録を読み取り、その多くはAIの工程を目に見えるラベルに変換します。扱い方はそれぞれ異なるため、同じファイルがあるサイトではラベルが付き、別のサイトでは何も付かないことがあります。共通しているのは、元になるのがファイル内の記録だという点です。それぞれの表示は次のとおりです。
- Instagram、Facebook、Threads:投稿やそのメニューに「AIコンテンツ」(旧「AI情報」)。
- TikTok:動画に「AI生成」のラベル。
- LinkedIn:画像や動画の隅に小さなCRアイコン。タップすると、誰がファイルに署名したか、AIが使われたかどうかがわかります。
- YouTube:「改変または合成されたコンテンツ」であることを示す注記と、有効な記録のある未編集のカメラ映像に対する「Captured with a camera」の注記。
- Pinterest:ピンに「AI modified」のラベル。
ご自身のファイルのContent Credentialsを確認する方法
このページ上部のツールに、写真や動画をドロップしてください。ファイルを読み取り、見つかったものを一覧表示します。C2PAマニフェストがあるか、どのアプリが署名したか、AIのアクションが記録されているか、その隣に保存されているIPTCやXMPのAIフィールドの有無などです。
すべての素材を一覧にした完全な署名の確認が必要な場合は、公式のContent Credentials Verifyサイトで確認できます。どちらも、多くの方が最初に知りたいこと、つまり、このファイルにAIが使われたと書かれているかどうかを教えてくれます。
ラベルが間違っていても、出どころの記録が役に立つ理由
Content Credentialsには、もっともな目的があります。報道カメラマンは、写真がカメラからそのまま出てきたものだと示せます。アーティストは、どの部分を手で作ったかを示せます。読者は、実在の場所を劇的に描いた画像が生成されたものだと知ることができます。作品が本物で未編集なら、カメラの記録はあなたに有利な証拠になるので、それが残ったコピーを保管しておきましょう。
弱点は精度です。隅を生成塗りつぶしで1回処理しただけで、書き出し全体がAI編集としてマークされ、プラットフォームが本物の写真にAIラベルを付けることがあります。このツールは、そのケースのために作られました。画像が完全にAIで生成されたものなら、記録を残すか、ご自身で明確な開示を付けてください。生成された画像から記録を取り除くことは、投稿を見る人を誤解させるだけです。
Content Credentialsを削除するとどうなる?
このツールは、画像を保存し直さずに、C2PAブロックとAIフィールドをファイルから切り取るので、ピクセルはまったく同じままです。初期設定では、カメラ情報、位置情報、カラープロファイルは残ります。プライバシーのために、位置情報とカメラ情報を削除することも選べます。その後、クリーンなコピーをもう一度チェックし、AIタグが何件残っているかを表示します。
限界もあります。ご自身のコピーから記録を削除しても、すでにオンラインにあるコピーは変わりません。サービスによっては、記録のコピーを自社のサーバーに保持しており、後から画像とひも付け直すことがあります。Content Credentialsは、GoogleのSynthIDのような見えないピクセルの透かしとは別のマークであり、クリーニングは両方を削除するので、クリーンなコピーにはAIマークが残りません。